年台もののウィスキーが高価なのは?

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ウィスキー15年、30年もの。倍寝かせただけなのに価格は倍なんてものじゃない、ただ倉庫で寝かせているだけじゃないの?って思っている方。これには結構奥が深いのです。
大きな要因はエンジェルシェア(天使の分け前)に関わってきます。スコッチの場合これにより年間2~3%が熟成の際、蒸発していきます。
仮に2%の場合15年では30%、30年では60%が消えてしまうのです。
また、樽に空洞が有り過ぎると樽が乾燥し蒸発し易くなるので継ぎ足ししないといけないのですが30年を名乗るには30年以上のもので継ぎ足さないといけないのです。(継ぎ足しはもう少し前にやりますが説明上解り易く例えています。)
となると30年ものを1樽作るのに同じ条件のものが2樽以上必要になってきます。(原価が違いすぎるのです。)
それに元々は60度くらいで樽熟成させているのですが30年ものは蒸発して自然と40度近くなるのに対し15年ものは精製水を加えて40度に調整するので水増し分、一樽からのボトル出荷本数も多くなります。30年のような年台ものは付加価値で高いのではなくボトル1本分の負担が大きいのです。

 

2019年10月05日